■Progressive Rock FESTIVAL『プログレ・オールスターズ Vol.2 』

2007年2月11日(日) 沼袋 「Live House SANCTUARY」にて



ARSNOVA 約1年ぶりの今回のライブは、ライブハウス サンクチュアリが主催するイベント
『プログレ・オールスターズ vol.2』第二日目への出演となった。

前半に出演するのは、関西のプログレッシブロックバンド「MAGDALENA」。
ロマンティックな歌詞と、メロディアスな楽曲が特徴的で、特にヴォーカルのメグ氏の歌声が
伸びやかで美しかった。

そして後半のARSNOVAのステージは、前半のステージとは対照的に、スピード感のある、
激しくヘヴィな演奏が印象的だった。



Keyboard: Keiko Kumagai


Bass: Shinko"Panky"Shibata

メンバーチェンジのたびにオリジナルの曲が新しい印象をもって演奏され、色々な可能性
を感じさせるARSNOVAだが、ギターの半田氏の存在感が増し、ドラムにHazime氏を
迎えた現メンバーの演奏は、あえてジャンルにあてはめるならば、「プログレッシブメタル」
と呼ぶのが適当な気がするほど、アグレッシブだ。
もともと、どの楽曲もストーリーを感じさせるような作りだが、現在のアレンジでの演奏を
聴くと、曲が展開しエンディングに向かって疾走してゆく様子に、高揚感を感じる



Guitar: Satoshi Handa


Drums: Hazime


まず、この日最初の曲は、現メンバーとなってからは初めて演奏される『MORGAN』
古参のファンにはお馴染みの美しいキーボードソロのイントロから始まるこの曲も
女性メンバーのみで演奏していた頃の可愛らしさとは異なる印象。


キーボードが担当していたメインメロディー
の一部をギターが担当するなどのアレンジ
を加え、また、Panky氏のベースの音も多彩
さと存在感を増し、メロディアスながらも
かなりヘヴィーな曲に生まれ変わっていた。
Hazime氏のドラムは、前任ドラマーの演奏
とはひと味違い、繊細なリズムパターンを
取り入れつつ、骨太な音も共存している。
興味深い演奏だった。
終盤、熊谷氏のキーボードがスタンドから
滑り落ちそうになるというハプニングもあったが
無事演奏は終了した。

続いて、こちらも代表曲である『The 42 Gods』。勢いのあるイントロから始まり
拍子がめまぐるしく変わりながら曲が展開してゆく。前半、エフェクトがかかり、
低音で這い回るようなベースのパターンや、中盤、メインメロディーの裏で動く、
ギターのオリエンタルな対旋律が、曲の雰囲気を効果的に盛り上げていた。

「皆様、Happy Valentine!
   新しい編成で久々に演奏するMorganはいかがだったでしょうか!」


会場からは拍手や小さな歓声も聞こえて、新しいバージョンの評判は上々の様子。
ちなみに熊谷氏のMCの通り、今週はバレンタインウィークの為、入り口では、先着
でバレンタインバージョンの熊谷氏のブロマイドや、チョコレートが配られていた。



MCの後は『Horla Rising』。緩急抑揚に富んだ一曲。難解なフレーズをさらりと
弾きこなす熊谷氏の演奏が際だっていた。終盤、流れるような動きでハイハット
を使ったカウントをするHazime氏の動きが目に楽しい。

前回のライブで初めて演奏された 『Lake of
Tears』
は、悲しげなメロディが美しい新曲。
序盤、ステージ中央前方で叫ぶような
ギターソロを奏でる半田氏。初演時よりも
艶のある伸びやかな音色で非常に良かった。
この曲は、キーボードがメインのメロディー
を奏でつつ、ギターが動き回るような部分が
各所にあり、いままでのARSNOVAの曲の中
では、もっともギターが前面に出た作りに
なっているように思う。



なお、熊谷氏によれば、この『Lake of Tears』も含まれる予定のニューアルバムを
現在、鋭意作成中で、年末くらいにはリリースする事を予定しているのだとか。
今回もゲストミュージシャンの参加も検討されているようだ。現在のメンバーでの
音源がまだメディアとしてリリースされていないだけに、ニューアルバムの発売は
楽しみである。
ほかに熊谷氏の個人活動として、以前オフィシャルサイトでも報告されていた、
ロビー・ヴァレンタイン氏、ヨスト・ファン・デン・ブルック氏(AfterForver)の三人に
よるキーボードトリオプロジェクトの話題も挙がっていた。こちらはまだ未定では
あるが、海外でのライブの計画もあるとのことだった。


「次は暗黒特集をやらせて頂きます。」



演奏された三曲はそれぞれ文字通りダークな曲ばかりだった。

最初は、「BIOGENESIS」に収録されている『Metamorphosis』。ハイハットによる
イントロのフレーズが印象的な曲。この曲は、そのストーリーによれば、胎内に移植された
宇宙生物の影響で、スペースシップ内において主人公の女性の体がメタモルフォーゼ(変異)
していく場面を描いているのだが、そのイメージ通り、不穏なイントロから曲が始まり、
深い音で奏でられるベースの旋律や、キーボードの多彩な音色がSFな雰囲気を醸している。
エンディングには畳みかけるような激しいドラムを披露するHazime氏は、続く『TRANSI』でも
中間部で、手数の多いドラムソロを披露していた。








TRANSIの後は、そのままフィードバックしたギター音から続いて『Kali』が演奏された。
前回のライブで久々に復活した曲だが、こちらもオリジナルからは見違える程ヘヴィ
で、「破壊の女神」というタイトルにふさわしい演奏だった。
手数が多く激しいドラム、ハーモニクスを多用した攻撃的なギター、ダークな音色で
動き回るベースがキーボードを支えることで、アンサンブルが重厚になっている。
ちなみに、曲中、ギターの半田氏はステージを良く動き回り、後方ではドラムの
Hazime氏が頻繁に立ち上がりながら演奏したりと、最近のARSNOVAは「ライブを
観せる」という点へも意識を置いているように思える。








「ありがとうございました・・・ああ、すいません・・・アアアア〜
・・・すいません、操り人形みたいになってしまいましたっ」


今日の熊谷氏のMC、マイクを用意するウエノ氏との間合いがうまくなく、頭に
マイクがぶつかったり、逃げていくマイクスタンドに引っ張られたりと、相当に
難儀している様子が会場の笑いを誘っていた。
メンバー紹介や、新しいレイアウトになったオフィシャルサイトの紹介などが
された後は、ベースの、不気味さを醸すようなフレーズで始まる『NOVA』




前半の重くヘヴィなリフに、客席では頭を振りながら楽しんでいる様子も見える。
熊谷氏はこの曲でも多彩な音色を使い分け、複雑なメロディーを弾きこなしていた。







最後の曲という事もあったのか、非常に勢いのある演奏に、演奏後は客席からは
大きな拍手と歓声が挙がり、嬉しそうに微笑む熊谷氏。

「どうもありがとうございました。
楽しいイベントに出させて頂いてありがとうございます。
皆様、またお会いしましょう、おやすみなさい!」


一旦楽屋へ引き上げたメンバー、客席のアンコールに応えて再度登場。
セッティングの間、半田氏へマイクがふられるも、チューニングに忙しく
マイクは熊谷氏へ。再度マイクと格闘しつつ、物販の紙ジャケットの紹介など。

「それでは最後の曲です。皆様ありがとうございました。『Succubus』です。」


アンコールにふさわしい、テンポの速い
アグレッシブな一曲。
キーボードとギターがユニゾンで演奏
する、キメのフレーズもばっちりきまって
いて、格好良い演奏だった。中間、
静かになるあたりでは、タムを効果的
に使ったドラムと、動きのあるベース
が幻想的な雰囲気を盛り上げていた。
さらにエンディングにかけては、次第に
テンションがあがる激しい演奏で、
終了後、客席からはまた大きな歓声
と拍手が飛んでいた。





「本当に今日は皆さん、ありがとうございました。私もARSNOVAを続けて
本当に長くなりましたが、皆様のおかげでここまで来ることが出来ました。
新しいアルバムについては、「BIOGENESIS」をやって以来、もう5年経って
おりますが、必ずや、出します。頑張っていきますので、これからも応援
してください。ありがとうございました!」



盛況のうちに終わった今回のライブ。新しいメンバーでの演奏もライブを経るごとに
固まってきているように思える。今後、ニューアルバムやその後ライブで、この音が
どのように進化していくのか楽しみであり、期待したい。




■Set List■

MORGAN
The 42GODS
----MC----
Horla Rising
Lake of Tears
----MC----
Metamorphosis
TRANSI
Kali
----MC----
NOVA
---Encore---
Succubus